tatazumi #4

二〇二二年四月

2022.05.29 文学フリマ東京(ノ-17・18)

About

tatazumiとは、何ごとかの表現ではなく、表現へと向かう表明です。

『Chiasme』『トランス』という二つの制作を経て、緩やかに繋がり始めた私たちは、次の制作、そして次の次の制作をいくらか思い描きつつ、ここに一つの名前を設けることにしました。集まって制作をせずとも生きていける人々が、しかし何らかの表現(への模索)を通じて関わりをもつことができれば、それは少しだけ嬉しいことかもしれません。うまくいけば、これからの制作の参加者や、その過程や成果を目にしたり耳にしたりして下さるどこかの誰かとも。

そうして曖昧なままに集まりつつある「佇み tatazumi」とは、(辞書を引けば出てくるように)私たちの「身の置き所」であると同時に、私たちの「身の置き所のなさ」の表明でもあるはずです。tatazumiといういくぶん中途半端なその響きに、そこここに佇んでいるものどもの不確かさと、あるいは不確かに佇んでいることの確かさを託したいと思っています。

2019年8月15日
大内 郁

Members

大内 郁

大内 郁

Fumi Ouchi / 主宰

1998年生まれ、東京大学文学部在籍。

志賀 耕太

志賀 耕太

Kouta Shiga / 美術

東京藝術大学大学院美術研究科油画第2研究室修士課程在籍。2020年、写真新世紀佳作受賞。主に写真・映像を使った実践の他、tatazumiとして公演制作を行っている。世界の実感のなさに抵抗する術として、現実とは異質で詩的なイメージを立ち上げ、そのイメージと私たちの身体が出会う場を作ることで、そこで獲得できる実感を伴った不思議な感触を大切にしている。

栗原 真葉

栗原 真葉

Mayo Kurihara / 音楽

1999年品川区生まれ。千葉県立船橋高校卒。東京藝術大学音楽学部作曲科在籍。

ジュニアエレクトーンフェスティバル全国大会ファイナリスト賞等受賞。第43回インターナショナルジュニアオリジナルコンサート等多数演奏会に出演。また、第22回八千代子ども親善大使としてタイ王国派遣。これまでに、作曲を久行敏彦、野平一郎、ピアノを羽石彩子、白石光隆、エレクトーンを足立淳、高地かほり、稲垣千章の各氏に師事。

紺屋 銅

紺屋 銅

Dou Konya / 編集

1998年生まれ。東京都出身。会社員。デザイン、プログラム、編集を担う。

Works

ホログラムと2つのスイッチ 公演風景1 ホログラムと2つのスイッチ 公演風景2

#2 ホログラムと2つのスイッチ

2019.11.30–12.01

写真・映像 / 東京藝術大学 取手校地

ここにいるという実感。
その確かな不確かさはいかに獲得されるのか。
——画面にうつるデモの行進や座り込み。「そこ」には重みがあるとして、それじゃあ「ここ」は?

中洲をわたす橋はシーソー。流れの中にある二人は、互いの重みを交しあってはすれ違う。実際の河川で撮影される写真・映像作品を原型に、それを条件とする音楽演奏を伴った一つの上演空間を仮構する。

志賀の作・演出による写真・映像作品。栗原が楽曲を制作し、その演奏を行った。大内がドラマトゥルクを、紺屋が広報を担当した。「写真新世紀展 2020」佳作。

明けない夜があったとして 公演風景1 明けない夜があったとして 公演風景2

#1 明けない夜があったとして

2019.09.20–22

演劇 / SCOOL(三鷹)

憲法改正の国民投票が迫った東京、「ほしぞらキャンプ」へと集まった学生たち。かつての同級生、別れ間際のカップル、大学へ行けない大学生。冗談に包まれた小さな痛みが渦巻きながら、ひっそりと夜はふけていく。星空への期待も曇天の下、訥々とした独り言はいったい誰に聴こえるのか? だらしない閉塞感とやがて訪れる忘却。それでもなお私たちは。

大内が脚本・演出をおこない、栗原が楽曲を制作し、その演奏を行った。志賀が舞台美術を、紺屋が広報を担当した。第20回AAF戯曲賞一次審査通過。

トランス 01 トランス 02

#0 トランス

2019.02.01–03

演劇 / プロト・シアター(高田馬場)

「私は他人である」もう1人の自分が残したメモにはそう記されていた。その妄想をきっかけに高校時代の同級生3人が再会する。「おかま」と精神科医と売れない作家。医者と患者。ときどき同級生。互いに何かの役を演じつつ高校時代の影に追われつつ、〈本当の自分〉を求めてやまない3人は、どこへ行くのかどこまで行くのか。

あなたはだれ? あなたとはだれ?
鴻上尚史の代表作を上演。戯曲がもつ問題含みな時代的背景と、それが現代の観客の目に晒される上演との軋轢についての思索がなされた。
tatazumiメンバーは、演出、美術、デザインとして参加。

Chiasme 01 Chiasme 02

#-1 Chiasme

2018.09.27

演奏会 / 管楽器専門店DACスペースDo(新大久保)

主宰らの母校の同窓であるトロンボーン奏者大関一成が、第4回日本トロンボーンコンペティション第1位を受賞した記念として行った東京藝術大学管楽器専攻生有志の演奏会。宇宙への旅というモチーフのもと、武満徹やインゴルフ・ダールらの5つの楽曲と、映像およびパフォーマンスによって、金管楽器コンサートの枠を拡張した舞台の構築が目指された。

tatazumiメンバーは、作曲、美術・パフォーマンス、ドラマトゥルク、デザインとして参加。

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